jj81の日記

勉強・読書記録と雑記帳です。

社会を希望で満たす働きかた


 

 著者自身も重度の身体障害者であり、社会福祉法人の理事長をされています。

 

 内容は、結構堅いお話です。というかソーシャルデザイナーとは何かとか、その歴史を書かれてあったりするので、途中で読むのを挫折しそうになりましたが、半分くらいは「アトリエ インカーブ」の活動に関することが書かれてあるので、何とか読み終えました。

 

 「アトリエ インカーブ」は知的障害を持つアーティスト達が集っている場所です。もちろん彼らをサポートするスタッフ等も在駐しています。

 

 私は美的センスがゼロなので、作品の善し悪しについて語れませんが、レベルの高い芸術作品を生み出しているようです。

 

 一般的に障害者が作り出す作品については、福祉作業所で単純作業に近い形で作られ、バザー等で廉価で売られていくパターンがほとんどだと思います。しかしこのインカーブで作られる作品には、驚くほどの高価格で取引されている作品もあります。

 

 著者はめがねをかけている人だって、車いす移動の人だって有用性という意味では差異がないと言い切ります。そして本来は健常者だって社会の中で色んなものに依存して生きているはずで、逆に障害者こそが限られたものに対してしか依存出来ない社会になっているのが現代の社会であると見ています。確かにこれは一理あるのではと思います。

 

 健常者とてできないことは色々あり、でも自分でそのできないことの解決方法や手段を自力で探し、また得ています。障害があることによって、本来は何か道具が手元にあれば解決できるのにそれが自分で探したりすることができないので、有用な手段にたどりつけない、それこそが障害者たらしめているのかもしれません。

 

 上記の考え方は今まで自分になかったものでしたが、このような考え方もあるのかと思い知らされた一冊です。